JR東日本は12日、2024年度の在来線などの1キロ当たりの1日平均乗客数(輸送密度)を発表した。福島県内で、利用者が少ない地方路線として存続検討の目安とされる1000人未満だったのは、前年度と同じく水郡線、只見線、磐越西線、磐越東線の4路線9区間だった。
最も低かったのは、只見線会津川口―只見間の69人で、前年度に比べ34人減少した。同線は4区間でいずれも輸送密度が前年度より落ち込んだ。県生活交通課は、22年10月の只見線全線再開通後の盛り上がりが落ち着きをみせたためとしている。
水郡線、磐越西線、磐越東線の3路線では、前年度より3区間で輸送密度が上昇、2区間は同じだった。県は各路線の沿線自治体などと活性化に向けた協議会を設置しており、利用者増加に向けた取り組みを進める。
昨年はJR水郡線の全線開通90周年に合わせた「ふくしま鉄道博」を開催。今年11月には小野町でいわき市と郡山市を結ぶJR磐越東線の魅力を発信する「ふくしま鉄道博」も企画し、さらなる魅力発信を進める考えだ。
来年度は大型観光企画「ふくしまデスティネーションキャンペーン(DC)」が控えており、県は「海外からの誘客などにも力を入れ、JRや地元自治体と連携し、さらなる利活用促進に力を入れて取り組んでいく」(生活交通課)としている。