バス大手みちのりホールディングス(HD、東京都)は10日、いずれも完全子会社の福島交通(福島市)と会津乗合自動車(会津バス、会津若松市)を合併すると発表した。来年4月1日付の予定。事業分野が共通し、営業エリアが隣接する両社を一体運営し、公共交通網の発展や経営資源の有効活用、営業・管理の効率化で地域貢献と企業の総合力向上を目指す。
10日、両社の取締役会で決定し、福島運輸支局に申請した。合併は承認を得て正式決定する。
同HDによると、法的には福島交通を存続会社とする吸収合併だが、事業運営上は「対等合併」とする。新社名は「福島交通」となるが両社の雇用は維持し、組織編成などに変更はない。新会社の社長は武藤泰典福島交通社長、副社長には会津乗合自動車の佐藤俊材社長が就く。子会社同士の合併のため、株式割り当ては行わない。
同HDによると、両社は黒字経営で「将来的な事業の維持、発展を見据えた前向きな合併」としている。会津乗合自動車の社名はなくなるが「会津バス」「あいづタクシー」の名称や車体デザインは引き続き使用する。両社のICカードも引き続き利用できる。
新会社の資本金は1億円。保有車両数はバス722台、鉄道6編成14台、タクシー62台など。従業員数は約1300人。同HDは「さらなるサービス拡大と社業発展に努めるので、引き続きご愛顧いただきたい」とコメントした。
福島交通は2009年、会津乗合自動車は13年にそれぞれ同HDの完全子会社となった。両社のグループである旅行会社の福島交通観光、会津トラベルサービスも同様に来年4月に合併する見通し。
