13日の「盆の入り」を前に、福島県内の墓地では12日、墓参りする家族連れらの姿が見られた。7月15日に東京電力福島第1原発事故による立ち入り規制が緩和され、一時立ち入りの通行証がなくても立ち入ることが可能になった浪江町の帰還困難区域内の井手唐沢墓地などでは、町民らが墓参りに訪れ、先祖の霊を慰めた。
原発事故で避難を余儀なくされ、現在は郡山市に住む74歳男性と64歳女性の夫妻は、同じく立ち入り規制が緩和された同町大堀地区の大堀西原墓地を訪れ、先祖が眠る墓に向かって手を合わせた。2023年に特定復興再生拠点区域(復興拠点)として原発事故による避難指示が地区の一部で解除されてから、通行証を申請して墓参りに訪れていたという。74歳男性は「ご先祖さまのお墓なので、自由に来られるようになったのはうれしい」と話した。