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千鳥・大悟、映画“初”主演に「ビビッてます」 綾瀬はるかと“初”共演で夫婦役 是枝裕和監督『箱の中の羊』2026年公開へ

2025/09/29 08:48

  • 映画
(左から)大悟、綾瀬はるか、夫婦役で初共演へ。是枝裕和監督『箱の中の羊』2026年公開 (C)2026「箱の中の羊」製作委員会

 映画監督の是枝裕和が原案・監督・脚本・編集を務めるオリジナル作品『箱の中の羊』が、2026年に全国公開されることが決まった。主演は綾瀬はるかとお笑いコンビ・千鳥の大悟。初共演の2人が夫婦役を演じる。大悟にとっては映画初主演作となる(配給:ギャガ、配給協力:東宝)

【画像】是枝裕和監督

 是枝監督はこれまで『そして父になる』(2013年)でカンヌ国際映画祭審査員賞、『万引き家族』(2018年)で最高賞パルムドール、『ベイビー・ブローカー』(2022年)でエキュメニカル審査員賞を受賞するなど、世界的に高い評価を受けてきた。前作『怪物』(2023年)ではクィア・パルム賞と脚本賞を受賞し、大きな話題を呼んだ。

 最新作の舞台は“そう遠くない未来”。物語は、ある夫婦がヒューマノイドを息子として迎え入れることから始まる。テクノロジーと人間の心の衝突をテーマに、現代社会が抱える問いを投げかける家族劇となる。

 建築士の妻・甲本音々(こうもと・おとね)を綾瀬、夫で工務店の二代目社長・甲本健介(こうもと・けんすけ)を大悟が演じる。

 是枝監督は企画の着想について「最新のテクノロジーで<死者を蘇らせる>という発想から始まった。テクノロジーの進化と人間の内面が衝突することに強い興味を持った」と語り、中国で実際に広がる「死者の蘇りビジネス」にも触れた。

 綾瀬は「久しぶりの是枝監督作品ですが、変わらずとても和やかな空気が漂う現場でした。初日は1カット1カット丁寧に撮影していき、その中で、音々(おとね)の気持ちにイメージが膨らみました。始めはわだかまりがある二人が、ヒューマノイドの子どもを迎え、様々なことが起き、また心が通い合っていくというお芝居を大悟さんとしていく中で、音々自身がどう成長していくのかとてもワクワクしています」とコメント。

 一方、是枝作品に初参加し主演も初となる大悟は開口一番「ビビってます。」と一言。撮影に入るにあたり監督からは「あんまりみんなに(そう演出)してるかわからないですけど、『そんなにきっちりせりふおぼえなくても。僕が現場で耳打ちする感じで、それをそのまま、自分なりにやっちゃってください』と言っていただき、なんか それは監督がこれまで子役に使ってた手法らしくて」と、演出について話されたといい、「そうおっしゃっていただいて非常に気持ちが楽になりました。自由にやっていいんだなっていう、今のところは」と意気込みを語った。

 是枝監督は綾瀬について「久しぶりに一緒に仕事をしますが、相変わらずチャーミングで素敵。感情表現の難しい役なので一緒に人物像を作り上げたい」と信頼を寄せる。大悟については「在感があり、歩き方が独特で、人間味があってすごくいい顔をされています。70年代の日本映画界にいた俳優さんのような顔だなと。間合いの取り方に優れた勘の良さがある」と高く評価し、「この夫婦とヒューマノイドの子どもによる、新しい家族劇になるはず」と期待を込めた。

 作品タイトル『箱の中の羊』は「星の王子さま」からのインスピレーションによるものだという。意外性に富んだキャスティングとテーマで、是枝監督がどのように“未来の家族”を描くのか注目される。

■是枝裕和監督コメント(全文)
 今回の企画の出発点は、最新のテクノロジーで<死者を蘇らせる>という発想からでした。
 数年前から日本のテレビ番組でもそういった企画があり注目を集めていましたし、テクノロジーの進化と人間の内面的なものが衝突することに対する賛否についても題材として興味を持ちました。去年の春には中国で<死者の蘇り>のビジネスが人気だという記事を読み、秋にそのビジネスをしている方にお会いし、これは今後日本でも起きる可能性があり、想像以上のスピードでテクノロジーが進化しているので、思ったよりも早くそういう事態が到来するなと感じました。
 クランクインして3週間近く経ちますが、ヒューマノイド役の少年が人懐っこくて、朝来ると大悟さんの坊主頭をなでなでしているほど懐いていて、彼の存在が大きく和やかな現場です。
 久しぶりの綾瀬さんは、相変わらずチャーミングでとても素敵です。今回は感情の変化が難しい役なので、現場でも言葉の一つ一つをどのように届けていくか、人物像含めて一緒に話し合ってやっていこうと思っています。
 大悟さんは、存在感があり、歩き方が独特で、人間味があってすごくいい顔をされています。70年代の日本映画界にいた俳優さんのような顔だなと。芸人さんやミュージシャンには勘が良く、間合いの取り方がうまく、掛け合いのお芝居が上手な方が時々いらっしゃいますが、大悟さんはまさにそうでした。勘が当たりました。
子どもともそうですし、撮影現場の中で自分なりの表現を見つけてらっしゃるから、とてもすごいと思います。
 綾瀬さんと大悟さん演じる夫婦には期待しかないです!この夫婦と人間ではないヒューマノイドの子どもが一緒になった時に、あまり見たことない家族劇になるのではないかと思います。

■綾瀬はるかのコメント(全文)
 『海街diary』以来久しぶりの是枝監督作品ですが、変わらずとても和やかな空気が漂う現場でした。
 初日は1カット1カット丁寧に撮影していき、その中で、音々(おとね)の気持ちにイメージが膨らみました。
 今回一番楽しみにしているのは、大悟さんと夫婦役ができることです。
 始めはわだかまりがある二人が、ヒューマノイドの子供を迎え、様々なことが起き、また心が通い合っていくというお芝居を大悟さんとしていく中で、音々自身がどう成長していくのかとてもワクワクしています。
大悟さんはテレビの中と印象そのままで、お会いした際「ごめんな、俺が夫で」と言われ、「えーそんな!」って。
 とてもシャイな感じがしましたし、とても素敵な方だと思いました。
 「少し先の未来」の物語ですが、夫婦の形や子供のこと、人と人の愛というのはずっと変わらない大事な部分だと感じながら演じています。きっと見終わった後に心が温かくなる作品になると思いますので、是非、楽しみにしていてください。

■大悟のコメント(全文)
 クランクインです。ビビってます。
 これだけの人と時間をかけて、今からすごいことが始まるんだなと楽しみは楽しみですが、大丈夫なんかな“ワシ”ってほうが大きいです。
 奥さん役の綾瀬さんは本当にあのままというか、非常に明るい楽しい人でとても良かったと思っています。
 一番最初にお会いしたときに「ごめんね、ワシがダンナ役で」と言ったら優しい顔で笑ってくださいました。
 今日はまだ2人の芝居シーンをしていないので、今のところはただただかわいく、ただただ遠くから見ています。
 是枝監督からは、あまり皆さんにしてるかはわかりませんが、
 「大悟さん、そんなにきっちりセリフ覚えなくても、僕が現場で耳打ちする感じでそれをそのまま自分なりにやっちゃってください」と言って頂きました。それは監督がこれまで子役に使ってた手法らしくて…。
 そう仰っていただいて自由にやっていいんだなって、非常に気持ちが楽になりました、今のところは。
 日頃は笑ってもらうお仕事をしていますが、大悟が出た、大悟がしゃべった、大悟が現れたで笑われないように頑張りたいです。あとは、監督にお任せします。どういうのが出るかなって、自分でも楽しみです。

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