防衛省は28日、クマによる人的被害が深刻な秋田県に自衛隊の部隊を派遣する方針を固めた。県の支援要望に対する措置。武器を携行するかどうかは決まっていないが、クマの殺傷は想定しておらず、猟友会が駆除した個体の輸送など後方支援を検討している。同日午後、陸上自衛隊東北方面総監部の人員らが秋田県庁に入り、具体的な役割に関し協議した。
小泉進次郎防衛相は閣議後記者会見で「国民の命と暮らしが脅かされている。迅速にできることから始める」と述べた。
環境省によると、2025年度のクマによる犠牲者は全国で過去最多の計10人に上る。木原稔官房長官は関係省庁に被害対策パッケージの見直しや専門人材の育成など追加対策を指示。政府は30日、関係省庁による連絡会議を開催する予定だ。
秋田県の鈴木健太知事は28日午前、東京・市谷の防衛省を訪れ、小泉氏と面会。「県内のマンパワーでは対応できない状況だ」として、箱わなの設置や駆除した個体の処理などについて自衛隊の協力を求めた。小泉氏は「県と協力して早急に対応策を練る」と応じた。鈴木氏は元陸上自衛官。
