【キーウ共同】ロシアが侵攻するウクライナで、鉄道や主要駅の施設を狙った攻撃が増加している。今夏以降、長距離飛行できる無人機の編隊による攻撃が頻発。日常の足として利用する市民に恐怖を与え、人やモノの移動を混乱させて経済に打撃をもたらす狙いがありそうだ。
8月5日、東部ハルキウ州の主要な駅が攻撃され、整備士1人を含む2人が死亡。駅は一時閉鎖され、多くの列車に遅れが生じた。今月4日には北東部スムイ州で駅や車両に攻撃があり、1人が死亡、子どもを含む乗客や鉄道職員ら数十人が負傷した。ウクライナ鉄道の旅客責任者オレフ・ホロワシチェンコ氏は「7月以前に比べ体感として10倍近い攻撃がある」と話した。
施設の損壊はダイヤを乱すだけではない。変電施設が機能しなくなればディーゼル燃料での運行が必要となり、電気よりも約5倍のコストがかかる。
ウクライナ鉄道は対策として軍との迅速な情報共有や乗降時間の短縮、避難訓練を実施。ホロワシチェンコ氏は、さまざまな問題に直面しながらも「営業は一度も止めていない」と誇る。