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隈研吾さん、建築通したまちづくりへの思い語る 浪江で記念講演

2025/10/27 09:35

木造建築を通した復興やまちづくりへの思いを語った隈さん=浪江町

 国際ロータリー(RI)2530地区の2025―26年度地区大会は最終日の26日、福島県浪江町で開かれた。JR浪江駅周辺の開発に携わる建築家の隈研吾さんが記念講演し、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故からの復興や、建築を通した新たなまちづくりへの思いを語った。

 隈さんは「建築がつなぐ人と風景」と題して講演し「資源を使い成長型の時代だった20世紀から転換期を迎え、循環型社会の構築が重要になっている」と木材を使った建築設計を手がける意図を説明。浪江駅前の開発事業について「大災害は新たな時代を切り開くきっかけになる。浪江が循環型社会の先導役となるよう人でにぎわう場所を木造で実現させたい」と話した。

 県内各ロータリークラブ(RC)から約1000人が参加した。記念事業として、子どもや震災孤児支援のために県と浪江、双葉、大熊、葛尾の4町村に寄付金が贈られた。各種表彰や感謝状贈呈式も行われた。

 次年度の地区大会は白河西RCがホストクラブを務め、来年10月31日、11月1日に白河市で開かれる予定。

 震災後初の双葉郡開催 ガバナー「感慨深い」

 地区大会は震災後初めて双葉郡で開催された。本会議で泉田征慶(ゆきたか)地区ガバナー(浪江RC)は会場の浪江町地域スポーツセンターの建設に携わり、町に引き渡す直前で震災に見舞われたと説明。「全町避難により町が変わり果てた中で、この施設で地区大会を開催できて感慨深い。ロータリーの『手を取り合う力』があったからこそ、復興の歩みを進められた」と述べた。

 浪江RCの中西總一郎実行委員長、吉田学会長は「クラブ存続の危機もあったが、多くのご支援で再起できた」と感謝した。

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