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大熊町、一団地整備着手 西大和久地区、30年度完了見通し

2025/10/08 08:35

工事の安全を祈願した関係者

 大熊町は7日、西大和久(にしおおわぐ)地区に産業団地と商業施設、防災機能を備えた広場(パークゴルフ場)を一体的に整備する一団地事業に着手した。重点的に整備を進めてきた大川原地区と下野上地区の二つのエリアに加えて、市街地に新たな復興再生拠点を整備し、東京電力福島第1原発事故からの復興の加速に向けて、雇用の確保や買い物環境の充実、住民の健康増進につなげる。

 一団地を整備するのは、東京ドーム5個分に相当する西大和久地区と新町地区の約22.9ヘクタール。東日本大震災前は主に田畑で民家が点在していた土地を活用して、産業団地を約9ヘクタール、広場を約5ヘクタール、商業施設を約3ヘクタール整備する。

 産業団地では、町内の起業支援拠点「大熊インキュベーションセンター」などで生み出されている新産業や、福島国際研究教育機構(エフレイ、浪江町)の立地にちなんだ企業や研究施設の誘致を目指す。また商業施設では、ホームセンターや飲食店などの立地を想定している。広場は平時はパークゴルフ場として活用し、4コースを整備する予定。災害時には一時避難場所やがれき置き場としての活用を見込んでいる。

 一団地整備事業は2030年度の基盤整備完了を予定している。27年9月まで切り土や盛り土などの整地工事を行い、その後、町道整備などを含めた敷地の基盤整備を進める。

 安全祈願祭が7日、現地で行われ、吉田淳町長や整備事業を担う都市再生機構(UR)の関係者らが出席し、工事の安全を願った。吉田町長は「国道6号の沿線でJR大野駅にも近い立地を生かした事業で、復興に弾みがつくと期待している」と述べた。

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