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核ごみ最終処分、高校生が提案 ふくしまハイスクールアカデミー

2025/09/17 09:00

核のごみの最終処分問題をテーマに発表する高校生

 原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分について学ぶため国内外で8月に研修した高校生が15日、Jヴィレッジで報告会に臨んだ。最終処分の議論を進めるため、未来を担う若年層の興味や関心を高める情報発信や対話活動、教育の見直しが必要とし、アニメやチャット機能での発信や研修の全国展開を提案した。

 NPO法人ハッピーロードネット(広野町)が「ふくしまハイスクールアカデミー2025」として企画。浜通りや北海道、茨城県、東京都、佐賀県の高校生15人が参加した。青森県の高レベル放射性廃棄物貯蔵管理施設や東京電力福島第1原発、スイスの最終処分場建設予定地や原子力関連施設を訪問し課題を学んだ。

 概要や興味関心、制度設計の3班に分かれて発表した。制度設計班は、日本の最終処分事業の遅れに着目し、住民の合意形成を重視しながら最終処分場選定の迅速化を図ることを提案。スイスの手法を参考に候補地を絞り込む方法に変更することなどを挙げ、「最終処分事業の新たな一歩を踏み出せる」とまとめた。

 パネル討論では、研修に参加した福島医大医学部放射線健康管理学講座の坪倉正治主任教授を進行役に、代表生徒4人が最終処分場設置に関して意見を交わした。同NPOの西本由美子理事長は「高校生が答えの出ない社会問題に果敢に挑んだ。これからも学びを支えていきたい」と語った。福島民友新聞社から中川俊哉会長が出席した。

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