復興に歩む富岡町の花卉(かき)農家渡辺信一さん(67)方のトルコギキョウが出荷の最盛期を間もなく迎える。主力商品のピンクの花を咲かせる品種「セシルピンク」は秋の彼岸のお供え用として出荷予定で、9日は妻の富美子さん(63)と一緒に手入れを進めた。
渡辺さん夫婦は避難先のいわき市から2020年に自宅に帰還し、代々続くコメ農家から花卉農家に転身。トルコギキョウやリンドウなどを育てている。JAや仲卸業者に出荷するほか道の駅や町観光協会で販売される。信一さんは「今までで一番良い出来だ。皆さんの祈りに彩りを添えることができればうれしい」と語った。