福島河川国道事務所は早ければ来年5月下旬にも、阿武隈川水系の釈迦堂川の流域水害対策計画を策定する。釈迦堂川流域は東日本台風で甚大な被害を受け、福島県内で初めて特定都市河川に指定された。約30年かけてハード、ソフトの両面から流域全体で水害を軽減させる流域治水対策を進めていく。今後、実務者や住民らとの意見交換などを経て具体的な内容を詰める。
流域7市町村や国、県、有識者らでつくる「釈迦堂川流域水害対策協議会」が4日、須賀川市で開いた初会議で同事務所が今後の進め方を説明した。
計画対象降雨については近年の洪水被害や気候変動の影響を考慮し、2日間の雨量を258.1ミリ(東日本台風は291.2ミリ)とする案を示した。
河道掘削や堤防と分水路の整備、田んぼダム、ため池の治水活用といった対策を組み合わせることで、浸水被害を最小限に抑えたい考えだ。
座長を務めた朝岡良浩日大工学部教授は「現在、阿武隈川流域が整備されているが、それでも釈迦堂川流域で被害の発生する地域がある。効果的に浸水被害を減らせるよう上流から下流まで連携して取り組むことが重要だ」と述べた。