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BS朝日、急転直下の田原氏番組終了 暴言動画がSNSですぐさま拡散→批判ふくれあがる 早期決断の背景は“モラルの逸脱”と“不公平感”?

2025/10/25 05:00

  • エンタメ総合
田原総一朗 (C)ORICON NewS inc.

 BS朝日は24日、田原総一朗氏(91)の暴言問題が騒動になっていた同局『激論!クロスファイア』(毎週日曜 後6:00)を終了すると伝えた。田原氏の暴言が飛び出した19日放送から、1週間を待たずに急転直下の終了発表となった。同局の報告文を読んでいくと、田原氏の発言が「政治討論番組としてのモラルを逸脱している」と強く非難する一方、番組がVTR収録であることにも触れ「編集でカットすることができましたが、それを怠った」点も重く受け止める内容となっている。

【写真】暴言が飛び出た放送での田原総一朗氏

 19日放送の同番組内では、片山さつき氏、辻元清美氏、福島瑞穂氏をゲストに迎えて、高市早苗氏が首相になると目されていることを受けてトークを展開。選択的夫婦別姓をめぐる議論の中で、反対の立場を取る高市氏を念頭においてか、田原氏は「あんな奴は、死んでしまえと言えばいい」と放言し、ゲストからも注意を受けていた。

 BS朝日は2日後の21日、取材に対して「10月19日放送の討論番組『激論!クロスファイア』での司会・田原総一朗氏の発言に一部不適切な内容がございましたため、厳重注意といたしました。いただいたご意見は真摯に受け止め、今後の番組作りに生かしてまいります」とコメントしていた。

 これを受け、田原氏も23日、自身のXで「10月19日放送の討論番組『激論!クロスファイア』における私の発言についてお詫び致します」と番組内での発言を謝罪。「発言の主旨は、野党に檄を飛ばそうとしたものでしたが、きわめて不適切な表現となり、深く反省しております。本当に申し訳ございませんでした」と経緯を説明した上で謝罪した。

 21日の時点では「今後の番組作りに生かして」と、番組継続を踏まえた文言になっていたが、24日に事態は急変。臨時取締役会を開催し、協議を行った結果として「田原氏の発言は政治討論番組としてのモラルを逸脱していると判断し、当該放送回をもって番組を終了することを決定いたしました」と発表した。

 さらに「番組はVTR収録のため不適切発言を編集でカットすることができましたが、それを怠った番組責任者ならびに管理監督者である編成制作局長を懲戒処分としました。視聴者の皆さま、関係者の皆さまに改めて、心よりお詫び申し上げます。今後とも、番組制作および放送倫理の一層の徹底を図ってまいります」と締めくくった。

 政治家など、権力を持つ相手にも舌鋒鋭く迫ってきた田原氏だが、BS朝日の声明にもあるように、今回の発言はまさに「政治討論番組としてのモラルを逸脱している」ものであった。落語家の立川志らくは22日、自身のXで「夢の鼎談 田原総一郎(原文ママ)、フワちゃん、時事通信社の例のカメラマン。田原さんは厳重注意。カメラマンも厳重注意。フワちゃんは芸能界から干された。芸能人に対してが一番厳しい」と皮肉を交えた投稿をしていたが、メディアは芸能人などに厳しく迫る一方、身内への処分が甘いという認識がSNS上で多く見られたのも事実で、そうした“不公平感”が終了を早期に決断させた面もあるように思える。

 田原氏の当該発言については、SNS上ですぐさま拡散し、多くの人が知るところとなった。21日に局としてのコメントを出したものの、田原氏への批判はふくれあがり、23日の田原氏の謝罪投稿をめぐっても、厳しい声が相次いだ。こうしたことも、田原氏本人による番組内での謝罪・釈明を待たずに終了するという判断にいたったように思える。

 田原氏のライフワークでもある『朝まで生テレビ!』も、現在はBS朝日で放送されているが、24日午後9時の時点では、26日の放送と田原氏の出演は予定通りとなっている。別の番組での発言とはいえ、自身の暴言について、田原氏は何かを語るのか。

■報告全文
BS朝日『激論!クロスファイア』
終了について

平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼を申し上げます。
2025年10月19日(日)放送のBS朝日「激論!クロスファイア」において、司会・田原総一朗氏が不適切な発言を行いました。

当該発言については、放送後に編成制作局が田原氏に厳重注意致しましたが、本日10月24日(金)に臨時取締役会を開催し、慎重に協議を行いました。

その結果、田原氏の発言は政治討論番組としてのモラルを逸脱していると判断し、当該放送回をもって番組を終了することを決定いたしました。

また、番組はVTR収録のため不適切発言を編集でカットすることができましたが、それを怠った番組責任者ならびに管理監督者である編成制作局長を懲戒処分としました。

視聴者の皆さま、関係者の皆さまに改めて、心よりお詫び申し上げます。
今後とも、番組制作および放送倫理の一層の徹底を図ってまいります。

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