JR西日本は29日、利用者が少ない地方路線の2022~24年度平均の収支を公表した。対象とした1キロ当たり1日平均乗客数(輸送密度)が2千人未満の19路線32区間全てで赤字だった。赤字総額は267億円。営業費用に対する運輸収入の割合を示す収支率は13・1%だった。人口減少で、収益確保が厳しい状況が浮き彫りになった。
今回の発表では、乗客数が減少した赤穂線の播州赤穂―長船と呉線の三原―広の2路線2区間が追加された。前回24年に発表した21~23年度平均における2千人未満の赤字総額233億円と比べ、赤字は34億円増えた。人件費や設備修繕費の上昇も響いた。
収支率が前回と比べて悪化したのは、山陰線の城崎温泉―浜坂など4路線8区間だった。収支率が最も低かったのは芸備線の東城―備後落合の1・0%。24年度の1日平均乗客数は19人で、100円稼ぐのに必要な費用は9945円となった。最も高かったのは播但線の和田山―寺前の33・5%だった。
JR西は22年から、過去3年度平均の地方路線の収支を公表している。
