役場近くの静かな集落にパトカーや救急車が集まり、猟友会の銃声が鳴り響く。24日、男女4人が相次いでクマに襲われ、1人が死亡した秋田県東成瀬村。「こんなこと初めて」。住民は緊迫した状況に声を震わせた。
現場付近の寺の住職武藤直哉さんは昼前、周囲が騒々しくなったことに気付いた。多くのパトカーを見て、ただ事ではないと感じ、知人の猟友会のメンバーに電話したところ「4人が襲われた」と教えられた。中には顔に強い打撃を受けたような傷を負った人もいたという。
その後、クマを駆除した猟友会のものとみられる複数回の銃声も聞こえた。「自分自身はクマを目撃したことはないし、人身被害も聞いたことはなかった」。墓の供え物を外に出したままにしないなど対策をしていたが、「今後はより気を付けないと」と語った。
現場には規制線が張られ、襲われたとみられる男性の車の周辺には生々しく血痕が残されていた。
近隣住民によると、今年はクマを目撃することが多くなったという。農業の男性は「クマは人慣れしてしまっている」と話した。
