石破茂首相が戦後80年に合わせて10日発表した先の大戦に関する所感について、広島の被爆者らからは原爆被害への言及がなかったことに対し落胆の声が上がった。
昨年ノーベル平和賞を受賞した日本原水爆被害者団体協議会(被団協)の箕牧智之代表委員(83)は「被爆者は核廃絶や国家補償をずっと訴え続けている」とした上で、所感にそうした内容は盛り込まれていなかったと指摘。「戦争の責任は今を担う政治家が引き継ぐべきだ」と訴えた。
広島県原爆被害者団体協議会(県被団協)の佐久間邦彦理事長(80)は「基本的人権が無視されてしまった戦争がどういうものだったのかについて、(言及が)なかったように思う」と述べた。