【パリ共同】フランス国民議会(下院、577議席)は8日、バイル首相率いる内閣の信任投票を実施し、反対多数で否決した。バイル氏は9日、マクロン大統領に辞表を提出、内閣は総辞職した。マクロン氏は数日中に新首相を任命する考えを示したが、昨年の下院総選挙以来、1年以上続く政局の混乱の責任を問う声は強まり、苦境は深まるばかりだ。
賛成194票、反対364票、残りは棄権などだった。バイル氏は財政再建計画の是非を問うため自ら投票を求める「危険な賭け」(フランスメディア)に出たが、失敗に終わり、就任からわずか約9カ月で失脚を余儀なくされた。
フランスは財政難で、バイル氏は2026年予算案に歳出削減などを進める約440億ユーロ(約7兆6千億円)規模の財政再建計画を盛り込む方針を表明。経済活動の活性化を狙い、二つの祝日の廃止を提案した。
だが野党から強い批判が上がり、バイル氏は8月25日、信を問うため投票実施を発表。計画に反対する極右政党、国民連合(RN)や左派の社会党などへの説得を試みたものの、失敗した。