大成建設の山内隆司前会長(78)が、不当に名誉顧問職を解かれたとして、解雇の無効確認を求める訴訟を東京地裁に起こしたことが27日、分かった。提訴は4月18日付。山内氏は取材に「経営トップが気に入らない意見を封殺しようとしている。この体質では活発な議論もなく、モラルハザード(倫理観の欠如)に陥る」とコメントした。
訴状によると、2023年7月に名誉顧問に就任した山内氏は、業績が低迷しているなどとして、経営陣に改善を何度も要求。昨年6月の株主総会でも批判を繰り広げ、翌月に解雇を言い渡された。山内氏は自ら建築案件の受注に向けた営業を行うなど、会社に利益を与えていたと主張。解雇は「報復」で無効な処分だと訴えている。
大成建設は「訴訟中につき詳細は控える。弊社の主張は司法の場で明らかにする」としている。
山内氏は同社の代表取締役社長や、会長を歴任。21年まで経団連の副会長も務めた。