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検査で虚偽説明、いわき信組元役員らの刑事告発検討 東北財務局

2025/11/11 08:50

 いわき信用組合(福島県いわき市)が反社会的勢力に不正融資や多額の資金を提供していた問題で、金融庁などの検査に虚偽の説明をしたとして、財務省東北財務局(仙台市)が元役員らの刑事告発を検討していることが10日、分かった。福島県警など捜査機関と協議する方向だ。

 金融庁と東北財務局によると、元役員らは検査に対し、不正に関する重要情報を保存したとされるパソコンは担当者が当時の役員に渡したのに「破壊した」と報告した。金融庁などはこの説明が協同組合による金融事業に関する法律違反(虚偽答弁)に該当するとみている。

 いわき信組は、遅くとも1992年ごろから繰り返し反社の不当な要求を受け資金提供していたことが発覚した。いわき信組の特別調査委員会によると、提供額は2004年以降で計10億円前後。旧経営陣が主導して04年から約20年にわたり不正融資もしていた。

 金融庁は10月、業務の一部停止と改善命令を出し、刑事告発を検討していると明らかにした。業務改善計画の提出なども求めた。

 いわき信組は東日本大震災の影響で業績が低迷し、国から200億円の公的資金を受けている。

 元理事、理由明かさず

 金融庁などの調査に対して虚偽の発言をしていたとされる元専務理事は10日夜、福島民友新聞社の取材に「弁護士から話はできないと言われている」と繰り返した。

 「無断借名融資」に使用した預金者のデータなどを管理していたノートパソコンは当初、担当者がハンマーで破壊したとされていた。ただ、元専務理事は特別調査委員会の調査で実際は自身が預かり、「可燃ごみとして捨てた」と供述するに至った。取材で虚偽の供述をした理由は明らかにせず「ご迷惑をかけて本当に申し訳ないと思っています」と述べるにとどめた。

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