いわき信用組合(福島県いわき市)が不正融資で捻出した資金を反社会的勢力に提供していた問題が発覚し、7日で1週間。「公表した内容が全てなのか」と新たな不正の発覚を心配する声が信組に寄せられるなど利用者は不安を募らせており、問題の余波が続いている。
金融庁は信組に対し、17日から1カ月間、新規顧客への融資業務を停止するよう命令した。いわき商工会議所は地域の事業者の資金調達に影響が出ないよう国の融資制度を紹介するなど支援に取り組む方針だ。
信組によると、反社会的勢力への資金提供の発覚から一夜明けた今月1日から渉外担当者が取引先を訪問し、謝罪や説明に当たっている。営業日の4日以降は役職員が各営業店に行き、訪れた利用客に直接謝罪。利用客からは反社会的勢力との関係に苦言を呈する声が上がる一方、旧経営陣を批判した上で「大変だが頑張ってほしい」と職員を激励する声もあったという。
信組に出た業務停止命令で地域経済への影響が懸念される中、いわき商議所は事業者から相談があった際には「国の融資制度やほかの金融機関を紹介するなど対応したい」としている。
市は資金運用のため過去10年間、毎年5億円を信組に預け入れてきたが、本年度分については対応を保留したままだ。市会計室は「金融庁の判断など状況をみて判断する」と説明した。
信組の金成茂理事長は旧経営陣の刑事責任、民事責任を追及していく考えを示している。
民事では旧経営陣に損害賠償を求める訴えを年内にも起こす方針だ。
