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土偶もなか ぴ~ぐ~ パティスリーサワダ(福島市) 縄文の謎、しゃがむ姿再現

2025/10/09 09:10

あん(手前)は自分で挟む土偶もなか

 しゃがんで腕を組んだポーズが特徴で、謎が多い「しゃがむ土偶」。福島市飯坂町東湯野の上岡遺跡から出土した国重要文化財だ。同市飯坂町の和洋菓子店「パティスリーサワダ」は、しゃがむ土偶を再現した土偶もなか(330円)を2022年に発売、地元の土偶を全国に発信する土産品として喜ばれている。

 土偶もなかは、ピンクの箱の「桃あん」と黒い箱の「粒あん」の2種類。あんを先に入れてしまうと日持ちがしないため、あんは別の袋に入れ、食べる際に自分で挟んでもらうよう工夫した。約1カ月持ち、もなかのパリパリ感が長く楽しめる。

 土偶ファン、縄文ファンは全国に数多い。土偶もなかは、しゃがむ土偶の存在をアピールし、地元を盛り上げようと開発が決まり、「もなかでならいけそう」と、金型の製作が始まった。試行錯誤し、ストレッチをしているかのような、独特のポーズの再現に成功した。

 しゃがむ土偶が発見されたのは約70年前の1952年で、山のような頭の形、つながった眉など謎は多く、そのポーズは座ってお産をする「座産」の姿とも、祈りの姿とも言われるが、真相は不明。ピアスを思わせる耳の辺りの穴、入れ墨のような体の模様など謎が多く、見ているだけで興味が湧いてくる。

 土偶もなかは、季節限定商品として冬場に「イチゴあん」も販売している。社長の沢田健さん(44)は別のあんの開発も考えており「しゃがむ土偶を知ってもらうきっかけになればいい」と話している。

          ◇

 パティスリーサワダ 福島市飯坂町字立町8。電話024・542・2427。水曜定休。2個入りのギフト用は760円。

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