福島大が閉園を予定している同大付属幼稚園(福島市)の存続を求め、元保護者らでつくる「福島大付属幼稚園のみらいを考える会」は7日、同大に1万1000筆超の署名を提出した。
同大は7月、付属幼稚園を2027年4月の入園生をもって受け入れを終了し、卒園に合わせた30年3月に閉園する方針を発表した。これを受けて元保護者ら7人が「考える会」を設立。8月中旬から約1カ月で、47都道府県から1万1000筆の署名が集まった。保護者や卒園生に加え、署名の半数近くは全国の国立大学法人や幼児教育の関係者といい、少子化や財政難から国立大付属幼稚園の存続が危ぶまれる中、「幼児教育の研究や実践を担う拠点を失うことにつながる」と危惧する声が上がる。
発起人代表の佐戸川政実氏は7日、同大で三浦浩喜学長に署名を手渡し「単なる一園の閉園にとどまらず、県全体の幼児教育の質と未来に大きな影響を及ぼす」と訴えた。
面談は冒頭を除き非公開。三浦学長は終了後、報道陣に「存在意義については同じ考えだが、財政の問題を解決できていない」とし「現時点では厳しい」との認識を示した。同大は閉園する理由として、園の定員割れが続いていることや、学士課程改革で27年度から幼稚園教員養成のコースを廃止することを挙げている。
全国国立大付属学校連盟幼稚園部会によると、全国では国公立大付属幼稚園としては初めて、北海道教育大付属函館幼稚園の27年3月の廃園が決まっている。