子どもの将来なりたいランキングで、毎回上位にランクインする“ネット配信者”。楽しいことだけをやってお金が稼げるというイメージが強く、憧れの職業と感じる子どもたちも多いのだろう。しかし、本当にそうなのか? YouTuber歴10年で、チャンネル登録者数19万人超えを記録している『りおなり夫婦のビログ旅』を運営している、りおなりと、“エヴァ芸人”としてなじみ深い妻・パッタイ早希(桜 稲垣早希)に、ネット配信の現状やリスクを聞いた。
【写真】「なんだこの可愛い2人は…」5年前の結婚式での、りおなり夫婦
■10年でYouTubeの環境も大きく変化、「登録者数100万人超えでも知らない人がたくさん」
――夫婦でのチャンネルを配信したきっかけは?
【りおなり】 僕は会社員として配信動画の制作に携わっていたときから、個人のチャンネルも作って配信していました。日常を切り取ったエッセイ漫画が昔から大好きだったので、いつかそういうコンテンツを作りたいとずっと考えていました。そんな中、妻と結婚して、単純に妻との日常会話が面白かったので、これを切り取って動画にできたらと考えました。
――ネット配信者という職業のメリットは何だと思いますか?
【りおなり】 今、僕はタイのバンコクに住んでいますが、住んでいる場所を問わず、自分のペースで仕事ができることが一番だと思います。それに加えて、個人でやっていると、配信する動画のジャンル・企画も、すべて自分で選べます。とにかく自由度が高いことが、僕にとってはうれしいし、ありがたいです。
――でも自由度が高いということは、自己管理能力が非常に求められるのではないでしょうか。
【りおなり】 それは強く感じます。自分のやりたいことが明確にあって、自分で決めて、自分で行動できる人は向いていると思います。指示されてやるほうが、気が楽だという人は向いていないかもしれません。
――りおなりさんが会社員としてYouTubeを始められた10年前と今とで、ネット配信を取り巻く環境に違いを感じていますか?
【りおなり】 当時はまだYouTubeが黎明期だったために、登録者数が伸びているYouTuberのことはみんなが知っている状態でした。でも、今は、例えば100万人超えの登録者数のある人でも、知らない人がたくさんいる状態です。
――競争が激しい分、生き残るのは難しくなっているということでしょうか?
【りおなり】 すごく難しいと思います。広告収入が上がったり下がったり、すごく不安定な職業でもありますし。しかも、再生数や広告収入の数字を見るのって、実はすごく難しいんです。ずっと見ていなければいけないけど、見過ぎても疲れるし、数字にばかり縛られていると本来やりたかったことを見失ってしまう。自分のメンタル面との折り合いのつけ方が非常に難しい。昔、YouTubeを紹介するCMに“好きなことで、生きていく”というのがありましたが、僕は10年間やってきて好きなことで生きていくのは、すごく難しいと感じています。
――息子さんに「ネット配信者になりたい」と言われたらどうしますか?
【りおなり】 ネット配信に限らず、子どもの挑戦は応援したいし、出来る限り止めたくはありません。ただネット配信に関しては、顔出しを含め、危険性やリスクがとにかくあるので、そこをしっかり教えたいです。そして、まずは遊びでもいいから動画を作らせてみると思います。実際に投稿しなくても、動画をゼロから作ってみて、それを友達に見せたりするだけでも、動画作りの大変さがわかると思うので。それでも楽しくて、苦労を乗り越えてもやりたいと言うのだったら、止めないと思います。まあ、僕らが止めても説得力のかけらもないですし(笑)。でも、顔出しは安易にはさせないと思います。
――早希さんはいかがですか?
【パッタイ早希】 私も同じです。私自身も、中学生くらいからタレントになりたいと親に言ってきて、なんとかここまで来られました。親からは「『親が止めんかったら、私はもっとこうなれたのに!』みたいなことを言われるのがめっちゃ嫌だったから、とにかくやりたいことはやらせてきたつもりだ」と言われたんです。その気持ちはすごくわかるので、私も自分の経験をもとにリスクを伝えたうえで、「やりたいことはやったらいいんじゃない」と言うつもりではあります。
――最後に、ネット配信者を目指す人にアドバイスをお願いします。
【りおなり】 今の時代、「なんでこんなことで?」と思うようなささいなことでも炎上しますし、視聴者さんの中には他人に厳しすぎる方もいますが、そういったコメント等について、必要以上に気にする必要はないと思っています。というのも、僕自身すごく気にしてしまう性格であることに加え、もともと前職で動画を作っていた時に、上場企業だったこともあり、いかに炎上せず動画を作るかを考えすぎてしまって、すごく保守的な考え方に今でもなってしまっていて。守りに入りすぎるとホームランを打つチャンスは少なくなるので、他人の意見に左右されずに突き進んだほうが、一発大きく当たるチャンスがあると思います。実際そういう人のほうが売れている印象があります。
何より、コメントを気にし過ぎると、自分のやりたいことを見失ってしまうことになりかねません。それは再生回数も同じです。数字が伸びないからという理由で、自分のやりたいことではないけれど伸びそうなことをやり始めると、自分自身を見失ってしまいます。ネット配信者として一番大切なのは、自分が何をやりたいのかを明確にして、それをやり続けることです。もちろん、当たり前のこととして、言動には気をつけなければいけませんが、それ以外はあまり気にせず、自分の中の芯をずらさずということを一番に考えたほうがいいと思います。自分もまだまだそれが上手くできていないですが...笑。
(文:河上いつ子)
「好きなことで生きていく」はもう無理? 炎上リスク、不安定な収入…“エヴァ芸人” YouTuber夫婦に聞く、SNSとの向き合い方
2024/08/28 10:05
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