【キーウ共同】米シンクタンク、戦争研究所は28日の戦況分析で、ウクライナ東部ドネツク州の要衝ポクロウシク情勢について、ロシア軍が市内からの避難経路を全て掌握しており、民間人約1200人が取り残されている可能性があると指摘した。ウクライナのゼレンスキー大統領は29日「ポクロウシク方面が最も困難な状況にある。ロシア軍はあらゆる手段を使って足場を築こうとしている」と苦境を認めた。
戦争研究所は、ロシア軍はポクロウシク東方のミルノフラドに進軍したものの、ポクロウシク市内では足場を築いておらず、ウクライナ軍の防衛態勢が直ちに崩れる可能性は低いとした。
ロシアはドネツク州の早期完全制圧を目指しており、ポクロウシク掌握を足掛かりに、クラマトルスクなど州内の主要都市の攻略につなげたい考えとみられる。
ポクロウシクを巡る戦闘は1年以上続いている。ロシアは歩兵を数人のグループに分けて複数の前線で突撃を図る「千の切り傷」戦術で市内に侵入。現在、最大250人のロシア兵が活動し、ウクライナ軍は劣勢に立たされている。
