日米関税合意に基づく5500億ドル(約83兆円)の対米投資を巡り、両政府が投資案件を話し合う協議委員会を事実上発足させたことが29日分かった。水面下の検討を含めると10社以上の日本企業がこの枠組みを活用した対米投資に関心を示しているとみられる。第1号の投資先を年内にも決定したい考えだ。
日本政府関係者によると、現時点では協議委の具体的な議論は始まっていないが、日本企業による事業への参画が固まれば活動を本格化させる。
日本側は既に外務、経済産業、財務各省の局長級が協議委に参加すると米側に伝達。米側からは商務省の担当者が入る。投融資を担う国際協力銀行(JBIC)と日本貿易保険(NEXI)の幹部も加わる方向だ。
日米両政府が9月に公表した対米投資の覚書によると、投資先は米側のみでつくる投資委員会が案件を推薦し、最終的にはトランプ米大統領が決める。協議委は日米双方のメンバーで構成し、投資委の推薦に先立ち内容を議論する役割を果たすとされる。日本側の意向を適切に反映させられるかどうかが注目される。
