強豪として知られる岡山県の私立関西高野球部でいじめがあり、1年生だった部員が昨年自主退学していたことが分かった。現在は通信制高校に通う兵庫県の男子生徒(17)と代理人弁護士が16日、岡山市で記者会見して明らかにした。兵庫県弁護士会紛争解決センターで裁判外紛争解決手続き(ADR)を利用し、先輩部員や学校側との和解が成立した。
会見した男子生徒側によると、2024年4月に入学し、同年9月までの間に当時2年の先輩部員から「死ね」「消えろ」と暴言を吐かれるなどした。高野連は一部の部員に対外試合出場停止1カ月の処分をした。
男子生徒側の今西雄介弁護士は、法廷で当時を思い出して証言することによる精神的負担を減らし、早期解決を目指すためにADRを選んだと説明。男子生徒は寮を出た時期を振り返り「部に戻ったらもっといじめがひどくなるのではと考え退学を余儀なくされた」と話した。
双方が和解内容を明らかにしておらず、関西高は「和解条項に口外禁止があるのでコメントできない」としている。