日銀の田村直樹審議委員は16日、那覇市で講演し、物価の上振れリスクが膨らんでいると指摘した上で「利上げを判断するべき局面に来ている」と強調した。金融緩和の度合いを調節し、将来の急激な利上げショックを避ける必要があると説明した。29、30日に開かれる金融政策決定会合での判断が注目されそうだ。
日銀は物価安定の目標実現について2025~27年度の期間の後半に「おおむね整合的な水準で推移する」との見方だが、田村氏は「前倒しとなる可能性は高まっている」との認識を示した。対応が遅れれば急速な利上げを余儀なくされ「結果的に日本経済に大きなダメージを与えることになる」と述べた。