人間に代わって複雑な作業をこなす人工知能(AI)のサービス「AIエージェント」が注目を集めている。自ら判断して動くのが特徴で、例えばデータの収集・分析から資料の作成まで一連の仕事を任せられる。自動化により生産性が大きく上がる一方、雇用の減少なども懸念される。今後、人間の働き方や組織は変革を迫られそうだ。
取引先の訪問前に、薦める商品と提案方法を整理。商談中は会話を読み解き、追加の生産が可能かどうかその場で調整を始める―。コンサルティング大手アクセンチュアが開発し、顧客への導入を進めているAIエージェントの活用例だ。通常の生成AIでは、作業の過程で人間が「課題を調べて」「資料をまとめて」などと細かく指示を出さなければならないが、エージェントは必要な仕事を自律的に進める。
国内のAI部門を統括する保科学世執行役員は「あらゆる仕事で人間とエージェントが連携するようになる」と述べ、企業はエージェントを前提とした組織づくりが求められると強調した。