まな弟子の伝達式を終え、記者会見で並んだ二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)は柔和な笑みを浮かべていた。28日、茨城県阿見町の二所ノ関部屋。部屋創設4年で横綱を育て「自覚を持ってやってほしい。大相撲全体を盛り上げてほしい」と、さらなる成長を望んだ。
3年前の6月5日。地元の茨城県に構えた約6千平方メートルもの広大な地で、部屋開きを行った。玄関から入って右方向に進んだ奥行きのあるスペースで、二所ノ関親方は言った。「昇進伝達式をやるなら、ここかな。いつかできたらいいな」
東京から遠く離れた場所を拠点とすることへの異論は承知の上。稽古場には極めてまれな土俵2面を設け、効率性を重視した。