福島県郡山市の市街地に県内初の野生鳥獣(ジビエ)の加工施設「ふくしまジビエファクトリー」が誕生した。同市で捕獲したシカやマガモを加工し、隣接するレストラン「四季彩 平山」で提供する。運営する平山真吾さん(40)は「ジビエが苦手な人にも楽しんでもらい、多くの方においしさを伝えていく」と話す。
平山さんは猪苗代町出身。料理人として大阪などでの修業を経て、2015年にレストラン「インコントラ ヒラヤマ」を同市に開業、人気を集めた。一方、知り合った農家から野生動物による深刻な食害の状況を聞く中で、自身も新型コロナウイルス禍に狩猟免許を取得。県内では東京電力福島第1原発事故の影響で野生鳥獣を捕獲しても、その肉を利活用できないことに歯がゆさを感じていた。
「一番良い状態で食べてもらい、魅力を広めたい」と一念発起し、今年3月にいったん店を閉め、ジビエや自然食材を中心に提供する形態にリニューアル。元々は敷地内の倉庫だった場所に解体室や動物をつるす設備、冷蔵庫などを備えた加工場を整備した。
開業に先立ち、施設では県の出荷、検査方針に基づくことを条件に郡山市で捕れたシカを出荷できるようになっており、シカなどを中心に受け入れる。放射性物質検査で安全が確認された肉を処理、熟成させて隣の店で調理し、コース料理で提供する。市内の飲食店や直売所などへの販売も視野に入れている。クマについても、全頭検査を条件に出荷制限が解除されるよう働きかけていくつもりだ。
平山さんは「個体個体で違うのがジビエの魅力。おいしくて体にも良い肉を皆さんにもっともっと食べてほしい。地域の資源と命を未来につなげていく」と意気込みを語った。
「四季彩 平山」の住所は郡山市赤木町11の20。毎週月、火曜日と第1、第3日曜日が定休。

 
									 
									 
         
     
                     
                     
                     
                     
                     
                                                                                             
                                                                                             
                                                                                             
                                                                                             
                                                                                             
                                                                                             
                                                                                             
     
     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
     
				