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放射線測定機器で不正 東京の業者、調整せず納品 福島県内25件使用

2025/10/31 09:00

 放射線測定などを手がける千代田テクノル(東京都)は30日、中間貯蔵施設や除染土壌の輸送業務の放射線測定などに使われていた機器について正しい調整を行っていなかった不正が見つかったと発表した。環境省や福島県によると、計25件の事業で不正が確認された機器の使用が確認された。

 同社や環境省などによると、不正が確認されたのは空間線量率などの測定に使うサーベイメーターや空気中のほこりなどを集めるダストサンプラーなど。不正があった期間は2022年9月~25年9月30日で、同社が担当した機器の調整を福島営業所の担当者が担当部署に依頼せず、国や県の事業を受託した企業に調整を行わないまま納品していた。社内調査で発覚した。

 不正があった機器の使用は環境省の事業で24件、県の事業で1件が確認されている。環境省や県は機器の性能試験や使用状況などについて確認を進めている。

 東電個人線量計199台、偽造した証明書

 東京電力は30日、千代田テクノルから6月に納品された警報付き個人電子線量計1000台のうち199台で、偽造した証明書が提出されていたと公表した。東電が求める試験をしていないのに、済んでいると偽っていた。

 東電によると、故障した線量計を除いて千代田テクノルが再試験を実施し、性能基準を満たしていることを確認した。

 作業員の線量記録には別の線量計を使用しているため、健康被害の恐れはないとしている。

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