いわき市は11月にも、人工知能(AI)技術で手話と音声をそれぞれ即時に文章化できる機器の導入に向けた実証実験を始める。手話通訳者がいない窓口に耳が不自由な人が来庁した場合でも、自由にコミュニケーションをとれる環境づくりを目指す。28日に開かれた市議会10月定例会の一般質問で示した。
市によると、ソフトバンクなどが開発した「Sure Talk(シュアトーク)」を活用する。このシステムでは、手話と職員の言葉をそれぞれ文章化できるという。手話を知らなくてもコミュニケーションが円滑にとれることから、来庁者と職員双方の負担軽減が期待される。
約3カ月間行う実証では、耳が不自由な人の来庁が比較的多い障がい福祉課の窓口にシステムを配置する。実証の間は、同課の専任手話通訳者が同席して手話が正確に文章化されているかどうかを確認するという。市は有効性が確認できれば他部署への導入を検討する。
