双葉郡を拠点に活動する女子サッカーチーム「FUKUSHIMA WWW.(福島ウィーアー)」が、日本サッカー協会の表彰制度「リスペクトアウォーズ2025」の事業・取り組み部門で、最高賞の大賞に輝いた。選手たちが東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の教訓を伝える現地ガイドとして、サッカー関係者らに対して語り部活動をしていることなどが評価された。
双葉郡拠点女子チーム
福島ウィーアーは浪江町を本拠地に今春活動を開始し、現在は県女子サッカーリーグ2部で戦っている。選手やスタッフは基本的に町内に居住。町地域おこし協力隊や双葉郡内の企業で働き、双葉郡を訪れたサッカー関係者に対し町の震災遺構「請戸小」などを案内、震災の記憶や復興への道のり、防災意識の重要性などを伝えている。
事業・取り組み部門では1次選考を通過した7件の取り組みから、一般投票で大賞を決めた。13日に都内で表彰式が行われ、チームの運営会社の代表を務める佐藤夏美さん(桑折町出身)が出席、トロフィーなどを受けた。
佐藤さんは「サッカーを切り口に福島の今を伝えるためにピッチ外での活動も重要に考えて取り組んでいる。双葉郡を訪れた人たちから『復興はもう終わっていると思っていた』との感想を聞くこともあり、この取り組みを続けながら震災を知らない若い世代に対しても教訓を伝えていきたい」と話した。