戦争が終わり、農地改革が行われた。私の家は地主で農家だった。農地の没収を防ぐため、長男だった父の惣司郎=享年(65)=は跡を継ぐしかなかった。「先祖代々の土地を守るために」。本意ではない職業を選ばされたようだ。 そんな経緯があるため、父は「子どもたちには自由な道を進んでほしい」と願っていた。私は父の願いをすっかり信じていた。高校2年の頃、新聞記者になる夢を持っていた。進路選択で「東京都内の大...
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