農業の道を志し、33歳で農林水産省を退職した私がまず向かったのは、二本松市東和地区ではなく、埼玉県深谷市の滝沢酒造という小さな酒蔵だった。以前から酒造りにも興味があったからだ。農閑期の稼ぎになるような手に職を付けようと、そこで2年半修業しつつ、就農に向けた準備を進めた。入江を見下ろすミカン畑が広がるような地域への憧れはあった。それでも「ご縁が決め手」と思い、東和への移住と就農を決心し、妻奈央子と...
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