サッカーJ1で9年ぶりに優勝した鹿島は、フリーマーケットアプリ大手のメルカリが経営権を取得してから初のリーグ制覇となった。1993年のJリーグ開幕時の「オリジナル10」の一角で、2019年に「親会社」が日本製鉄からかわるという大転換を経験。メルカリが培ったノウハウを導入して経営基盤を着実に強化した。
新型コロナウイルス禍による落ち込みを乗り越え、24年度の売上高は過去最高に迫る72億円に達した。昨季ホームの平均入場者数は過去最多2万3027人。メルカリ会長を兼ねる鹿島の小泉文明社長は「観客数はある意味、KPI(重要業績の評価指標)の一丁目一番地だ」と語る。今季のホーム入場者数は昨季を上回り、熱狂的なサポーターの大声援がチームを後押しした。
快適な観戦環境を提供するため、スタジアムの飲食店のキャッシュレス化を進めた。24年からはホーム戦で小学生以下を観戦無料とし、将来のサポーターとなる子どもと、その家族の来場を促進。試合日のピッチ外の飲食や催し物の充実を図り、リピーター獲得につなげた。
