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不支給件数少なく計上 障害年金の公表統計

2025/06/11 18:36

 障害年金不支給件数のカウント方法の違い

 日本年金機構が毎年公表する障害年金の統計は、実際よりも不支給件数が少なくなる方法でカウントしていたことが11日、分かった。2023年度の不支給は機構内部の集計表では約2万件だったが、公表統計では約1万3千件で、約7千件少なかった。

 厚生労働省が国会で示した内部の集計表同士で比較すると、24年度の不支給は約2万9千件で、件数でも23年度の約1・5倍だった。

 障害年金では、1人が過去の支給分と、今後の支給を同時に申請することがある。病気やけがを負ったときには障害年金のことを知らなかったり、徐々に症状が重くなったりする場合があるためだ。

 厚労省によると、この場合、内部の集計表では申請2件と数えるが、統計では1件とカウント。2件のうち1件は支給、もう1件は不支給となった場合、集計表は支給と不支給それぞれ1件と数えるが、統計では「支給1件」と計上する。そのため、統計では不支給件数が実際よりも減少する。

 統計の計上方法について、厚労省は「1件は支給しているので、特に問題とは考えていない」と説明。ただ社会保険労務士からは「実態が反映されない」と批判も出ている。

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