【ワシントン共同】米連邦最高裁は5日、職場で同性愛者が優遇され「逆差別」を受けたとして女性が勤務先を訴えた訴訟で、要件を緩和する判断を示した。下級審は、多数派の異性愛者や白人が起こす差別訴訟では通常より厳格な立証が必要だとして女性の訴えを退けていた。逆差別を主張する提訴が容易になるとみられる。
訴訟資料によると、女性は中西部オハイオ州の青少年局に勤務。自身が希望した管理職ポストに同性愛者が採用されたのは性的指向が理由だと主張した。州側は逆差別を否定した。
下級審は、女性がより具体的に差別を裏付ける証拠を提出しなければならないと判断した。最高裁は全会一致で覆し、雇用差別を禁じる公民権法の条項は「多数派の原告に厳しい基準を課すものではない」と結論付けた。訴訟は差し戻され、継続することになった。
AP通信によると、首都ワシントンと20州を管轄する複数の裁判所が差別訴訟で多数派に厳格な立証基準を設けている。