旅客機や沖縄のレンタカーといった商用乗り物が個人投資の対象として登場してきた。「動産信託」という仕組みを基に、小口化で最低投資額を引き下げ個人でも投資しやすくする。少額投資非課税制度(NISA)を追い風に株式などへの投資が拡大する中、投資先の分散でリスク軽減につながる効果が期待される。身近な乗り物が対象で「オーナー」気分が味わえたり、知見が生かされたりする可能性もある。
FPG証券(東京)は6月から欧州航空機大手エアバス製の旅客機1機について投資家を募集する。航空機を対象にした個人向けの公募商品は国内初という。新品だと1機100億円を超えるような旅客機は従来、大手商社や機関投資家向けが中心だったが、1口100万円から投資できる。
旅客機はスペインのイベリア航空にリースし、投資家はリース料やリース終了後の機体売却益を元にした分配金が期待できる。運用期間は原則2年10カ月で、初年度の利回りは約6・0%を見込む。紛争発生や感染症流行による航空需要の低迷などのリスクがあり、償還時に元本を割る恐れもある。