福島県三春町出身の登山家・故田部井淳子さんの生涯をモデルにした映画「てっぺんの向こうにあなたがいる」の特別上映会は3日、出身地である同町のまほらで開かれた。多くの町民が地元女性登山家の挑戦と絆の物語を見届けた。名誉町民の田部井さんの功績を知ってもらおうと、10月31日に全国公開された作品を町合併70周年記念事業として町民を対象に特別上映した。
町、福島民友新聞社、テレビユー福島、郡山テアトル、モンベルの主催。上映に先立ち、坂本浩之町長が「縁がつながり、上映会を迎えることができた。多くの方々の縁と協力、そして田部井さんの導きがあったと強く思っている」とあいさつした。
2回開かれた上映会には抽選で選ばれた計約780人が訪れた。会場では福島民友新聞で田部井さんが連載した「人生春夏秋冬 私の道」を展示したほか、関連書籍やグッズの販売が行われた。映画を観賞した同町の夫妻は「自分ではなく福島やみんなのために生きていた力強さを感じた。夫婦や親子の絆も描かれていて良かった」と感想を語った。
映画は、田部井さんのエッセー「人生、山あり“時々”谷あり」(潮出版社)を基に、女性として初のエベレスト登頂を果たした登山家の挑戦と、支えた人々との絆を描いている。主演は吉永小百合さん、夫役を佐藤浩市さん、山仲間で親友役を天海祐希さんが演じている。県内では郡山テアトルなどで上映中。
