新国立劇場バレエ団の渡辺峻郁(たかふみ)さん(35)=西郷村出身=は、最高位ダンサーのプリンシパルとして、同団のロンドン公演に出演した。多くの現地客が訪れ「とても温かい空間だった」と振り返った。
公演は、英国ロンドンのロイヤル・オペラ・ハウスで7月下旬に行われた。演目は「ジゼル」。純粋な村娘ジゼルと身分を隠した貴族アルブレヒトの悲恋を描いた物語で、渡辺さんはアルブレヒト役を務めた。
名門「英国ロイヤル・バレエ団」で活躍し、現在は新国立劇場バレエ団で舞踊芸術監督を務めている吉田都さんが演出を手がけた。チケットが完売するなど現地客の期待は高かった。渡辺さんは「(5月に行われた)日本公演よりもより良いものにしたい」と公演に臨んだ。
言葉を発さない代わりに、身ぶり手ぶりで感情や状況を表現する「マイム」で、アルブレヒトのにじみでる高貴な所作を、自然体を意識して演じた。幕の途中で観客の笑い声が聞こえ「日本の公演と異なり、ロンドン公演では、お芝居のシーンで反応が返ってきて新鮮だった」と文化の違いを楽しんだ。
世界最高レベルを誇る歌劇場の舞台に立ち「素晴らしい経験をさせてもらった」と感謝する渡辺さん。「バレエに終わりはない。日々精進し、これからも理想を追求していきたい」と決意を新たにする。
30日のプラネ発表会
渡辺さんは30日、小中学生時代に通っていた「バレエスタジオ・プラネ」(白河市)の定期発表会にゲスト出演する。
場所は同市の白河文化交流館コミネスで開演は午後0時半。問い合わせはバレエスタジオ・プラネ(電話090・7566・1125)へ。