核兵器廃絶を目指す科学者らの国際組織「パグウォッシュ会議」世界大会は2日、広島市で2日目の会合を実施し、核の脅威を減らすための科学者の役割をテーマに、ロシアやイスラエル、日本などの科学者が公開討論した。
イスラエル科学人文アカデミーのダビド・ハレル会長は、自国軍によるパレスチナ自治区ガザへの攻撃を強く批判し「科学者は(政策の)意思決定者を正しい方向に導くよう影響力を行使すべきだ」と語った。
質疑応答でパレスチナのパグウォッシュ会議関係者が「イスラエルの科学者として倫理的責任がある」と問いただす場面があり、ハレル氏は「戦争をやめさせるため政府と闘っている」と応じた。大学が政府に軍事利用されているのではないかという指摘には「戦争に直接関わる研究があればやめるべきだ」と話した。
ロシアのエネルギー・安全保障研究センターのアントン・フロプコフ所長はパグウォッシュ会議が長年、イランの核計画を巡る対話の場を形成してきたことに触れ「科学者は政治的問題にも解決策を提供できる。今後も重要な役割を果たしたい」とした。
