第53回マーチングバンド全国大会は6日、さいたま市のさいたまスーパーアリーナで開幕した。初日は小、中学生の部が行われ、福島県勢は小学生の部の小編成に須賀川市の須賀川アカデミックマーチングバンド、大編成の部に福島市の野田と吉井田が出場し、いずれも銀賞を受賞した。日本マーチングバンド協会の主催。
小、大編成合わせて小学生の部に30団体、中学生の部に19団体が出場した。最終日の7日は高校の部と一般の部が行われる。
須賀川 魔法の国表現
初の全国大会に臨んだ須賀川アカデミックマーチングバンドは「ウィーラブマーチング~魔法の国へ~」をテーマに「ハリーポッター」「海が見える街」「魔法使いサリー」「ホールニューワールド」を演奏した。
9校から28人のメンバーで迎えた今大会。曲調の違う4曲を、めりはりのある演奏と動きで表現した。有賀莉蘭(りらん)部長(須賀川一小6年)は「全国の舞台に全員で立てて良かった。厳しくも優しく指導してくれた先生や両親に感謝したい」と充実感をにじませた。有我靖子代表は「過去一番の出来だった」と目を細めた。
野田 唯一無二の演技
14年連続30度目の出場の野田は、ムソルグスキー作曲の組曲「展覧会の絵」から「プロムナード」「バーバ・ヤーガ」「古城」「キエフの大門」と王道のクラシックを奏でた。佐原惺菜(さとな)部長(6年)は「このメンバーでしかできない演奏や演技だった」と言い切る。
「あなたと歩く、音のギャラリー」をテーマに部員42人で挑んだ大一番。皆が一つにまとまり、丁寧な音色と演技を披露した。佐原部長は「周りの音をよく聴き、先生の指揮にも集中できた」と振り返った。荻野耕平顧問は「練習の成果を発揮できた」とたたえた。
吉井田 「忍者」力強く
10年連続26度目の出場の吉井田は「くノ一伝説」と題し「ガッチャマンの歌」「勇気100%」「にんじゃりばんばん」など忍者にまつわる曲や和風のポップス計6曲を披露した。金子ほたる部長(6年)は「心を合わせた最高の演奏だった」と手応えを口にした。
部員47人が、躍動感あふれる動きで会場を縦横無尽に駆け回って演奏した。金子部長は「感情表現の豊かな演奏が吉井田の持ち味。テーマ通り、忍者の力強さを表現できた」とほほ笑んだ。油井敏郎顧問は「できることは精いっぱいやってくれた」とうなずいた。
